2時間話すと、なぜか前に進む。
この仕事を、いまも育てています

中村 麻里絵 / 2026年(更新)

この仕事のはじまり

私は会社で管理部門の仕事を約15年続けながら、2023年に個人事業を始めました。業務の整理を入り口に、いろいろな方のお仕事をお手伝いしてきました。

その中で感じていたのは、「ツールを入れれば解決するわけじゃない」「AIを使えば解決するわけじゃない」ということです。

本当に必要なのは、その前にある
「何に困っているのか」
「本当はどうなりたいのか」
を整理することでした。

実際にお話を聞いていると、2時間で頭の中が整理されて、「やることが見えた!」と言っていただけることが何度もありました。

最初はそれを、無料のヒアリングとして渡していました。「これはちゃんと価値として受け取ってもいいのかもしれない」——そう思えたところから、この仕事を育て始めました。

この資料について

自分の考えと現在地を整理するために書いています。最初に書いた版から進んだことがいくつかあるので、書き直しました。

「こういう仕事、マリエさんらしいね」
「ここは違うんじゃない?」
そんな感想をいただけたら嬉しいです。何かを売るためのページではありません。

やってみて、形がふたつになりました

核にあるのは、ひとつだけです。
じっくり話を聞くこと。そして、整理して提案すること。

やってみる中で、この核の出し方が、ふたつの形になりました。

月額の伴走サポート(顧問契約)

経営者や組織の方と、毎月続けて関わる形です。毎月のミーティングと、議事メモ・整理資料の積み重ね、合間のチャット相談。組織づくりや引き継ぎのような、ひと月では終わらないテーマに付き合います。

全部出す2時間(単発の整理セッション)

伴走で毎月行っている「伺って、整理して、決める」を、2時間に凝縮した形です。おひとりで事業をしている方なら、多くの場合これで足ります。

順番としては、続けて関わる仕事が先にあって、単発はそこから生まれた凝縮版です。

「2時間で終わるなんて、薄いのでは」と思われるかもしれません。やってみて分かったのは、逆だということでした。

出し惜しみせず、その場で全部出すから、2時間で終わる。2時間で完結させられること自体が、この仕事の力の証明なのだと、今は考えています。

実際に起きたこと、その続き

もともとは、継続的に伴走するサポートを提案しようと考えていました。けれど Aさんご夫妻(小さな事業のバックオフィス)や Bさん(専門職の方)とお話ししていると、2時間のヒアリングだけで、課題の整理と次の一手がほぼ片付いてしまったのです。

当時は無料でお受けしていたので、発注にはつながらず、その場で終わっていました。それでもお相手は「何も発注しないのが申し訳なくなる」ほど感謝してくださって。そして私自身、無理に継続サービスを売り込みたい気持ちには、なりませんでした。それよりも、今後も関係が続く「よい終わり方」の方を大切にしたかったからです。

——ここまでが、最初にこの資料を書いたときの話です。その後、続きがあります。

有料にしてからも、「まず何をすればいいのかが明確になった」「相談そのものに集中できた」という感想をいただけています。2時間の価値は、無料だから喜ばれていたわけではありませんでした。

家族経営の事業とは、毎月の関わりが2年近く続いています。業務の整理から始まり、チームの運営や引き継ぎの話になり、いまは事業承継のサポートが始まっています。

2社目として、地域の小売業の会社でも、採用と組織づくりをテーマにした伴走が始まったところです。

無理に売り込まなかった関係から、長く続く仕事が生まれている。「よい終わり方」を大切にしてきたことは、間違っていなかったと感じています。

これからは、商工会議所に入って、地域の経営者の方との接点もつくっていくつもりです。

価値に見合う価格にしたい

最初にこの資料を書いたとき、「低めの価格から始めて、少しずつ整えていく」と書きました。いまの現在地はこうです。

単発の「全部出す2時間」は、30,000円でお受けしています。
月額の伴走サポートは、50,000円からの設計になりました。

なお、最初に実績づくりを支えてもらったコミュニティの中では、当時の価格のまま据え置いてお受けしています。先にご縁をいただいた場への、私なりの筋の通し方です。

価格を上げるタイミングの決め方は、変わっていません。私自身が「この価格で受けてもらって申し訳ない」と思わなくなった時。単発を30,000円にできたのも、そう思えたからです。

以前は「2時間を5万円で」という目標を書いていましたが、いまは急いでいません。まず続ける関わりをしっかり育てて、そのあとで考えることにしました。

目指しているものは変わりません。「この時間に払ったお金以上の価値があった」と感じてもらえる仕事に育てること。その結果として、価格が自然になる状態です。

大事にしていること

やってみる中で、言葉になったことがふたつあります。

散らかりは、足跡。
業務や頭の中が散らかるのは、さぼってきたからではありません。目の前のお客様と売上に、必死に向き合ってきたからです。だから私の前では、散らかったまま見せてもらっていい。整えてから来てもらう必要はない、と考えています。

引っ張り上げる人ではなく、登れるようにする人でいたい。
答えは、その人の中にすでにあります。私がするのは、問いを立てて、整理して、選択肢を並べるところまで。決めるのは本人です。だから決めた手柄は本人に残るし、それでいいと思っています。

やりたいこと、ひとことで
行き先と、そこへ行く道を、
一緒に見つける。

影響を受けた考え方

この働き方にたどり着けたのは、考え方に深く影響を受けた方々から学ばせてもらったことが土台になっています。学んだことが、私の中でこう根づきました。

「設計で稼ぐ」という考え方

  • 労働量ではなく、設計で稼ぐ
  • 登る山を決める(全方向に広げない)
  • 高単価で、余白を守る

「あり方から考える」という姿勢

  • あり方が先、やり方は後
  • 努力の方向を間違えない
  • 苦しさは能力不足ではなく、設計の問題
  • 無理を前提にしない(余白を持つ)

この考え方がなければ、私はきっとまた「もっと頑張る計画」を立てていました。学ばせてもらったことに、心から感謝しています。

最後に

最初にこの資料を書いたとき、「まだ仮説だし、うまくいくかも分かりません」と書きました。

いまも育てている途中なのは変わりません。ただ、仮説だった部分に、実際にやってみた手応えが少しずつ混ざってきました。2時間で前に進むこと。続けて関わると、もっと深いところまで行けること。どちらも、実際のお仕事が教えてくれました。

屋号のMOTTO Mateは、誰かの「もっとこうしたい」の気持ちとともに歩きたくて、開業のときにつけました。振り返ると、この軸は最初から変わっていません。

もし周りに「頭の中がごちゃごちゃしていて整理したい」という方や、「経営のことを話せる相手がほしい」という方がいたら、思い出してもらえたら嬉しいです。そして、この資料を読んで 「なんかマリエさんらしいな」 と思ってもらえたら、それだけでも十分嬉しいです。「ここは違うんじゃない?」も、いつでも歓迎です。

中村 麻里絵